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サンプルコードに誤字があったので修正しました。
4.サンプルコードの解説 (井川春樹さんの本から抜粋)
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' 井川さんのサンプルコードの解説
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では(1)から順に見ていきましょう。
まず、1行目でEventステートメントを使ってイベントを宣言しています。このクラスは
Rowslnsertというイベントを発行して、そのイベントプロシージヤは、CancelというBoolean d
の引数を参照渡しで受け取りますよ、といった宣言になります。
CheckRowsInsertメソッドは、この後解説するタイマー処理によって繰り返し実行され、
行が挿入されたタイミングでイベントを発行するメソッドです。
ここで重要なのは、Static変数「myRow」が最終行を表すRangeオブジェクトへの参照を保持していることです。
初めて実行されるときだけは変数「myRow」が「Nothing」なので、その場合には最終行を
表すRange オブジェクトへの参照を格納するだけの処理を行いますが、2回目以降には
いよいよチェックを行います。
このチェックには、On Error Resume Nextステートメントを使って、実行時エラーを
無視するようにしてから、変数「myRow」に参照が格納されているRangeオブジェクトの
何らかのプロパティを取得してみるのが簡単です。
ここではRowプロパティを取得していますが他のプロパティでもかまいません。
このとき、行が挿入されていれば最終行は存在しなくなっているのでエラーが発生します。
ですから、「エラーの発生=行が挿入された」と判断できるわけです。エラーの発生の
有無はErr関数を使って参照を取得できるErrObjectオブジェクトのNumberプロパティ
で判断できます。
エラーが発生していなければNumberプロパティの値が「O」となるからです。
そして、行が挿入されたと判断したらRaiseEventステートメントを使ってRowslnsert
イベントを発行します。引数Cancelには変数[myCancel]を指定し、イペントプロシー
ジヤによって、変数.[myCancel」の値が「True」に変更される(引数Cancelに「True」
が設定される)と、ApplicationオブジェクトのUndoメソッドを使って、行挿入の操作
を元に戻します。
次に(2)のコードをご覧ください。これはタイマープロシージヤと呼ばれるプロシー
ジヤで、この後解説するWin32API関数のSetTimer関数の引数lpTimeerFuncにこのプロ
シージヤのアドレスを指定すると、繰り返し非同期で実行されるようになります。
宣言部については決まり事として覚えておいてください。ここで行っている処理は、
clsRowsInsertEventオブジェクトのCheckRowsInscrtメソッドを実行するといった
ものです。
clsRowsInsertEventオブジェクトへの参照は、?Bのコードで定義している
ThisWorkbookクラスのRowsInsertEventClassプロパティを使って取得します。
最後に(3)のコードの要点をまとめます。
まず、このブックモジュールでclsRowsInsertEventオブジェ列が発行するイベント
をハンドルするために、モジュールレベルのオブジェクト変数
「mvRowsInsertEventClass」を、WithEventsキーワードを付けて
、cIsRowsInsertEvent型で宣言します。
そして、そのclsRowsInsertEventオブジェ列のRowslnsertイペントプロシージャに、
行挿入時に実行する処理を記述します。ここでは、キャンセルするかどうかの
問い合わせのみを行っています。
タイマー処理の開始はブックのOpenイベントプロシージャで、終了はBeforeCloseイベント
ブロシージャで行います。
タイマー処理を開始するのはWin32API関数のSetTimerで、引数HwndとnlDEventには0を、
nElapseにはタイマー処理を実行する問隔(ミリ秒)を、lpTimerFunc にはタイマー
プロシージャのアドレスを指定します。プロシージャのアドレスはAddressOf演算子を
使って取得します。
なお、サンプルではnElapseに「O」を指定していますが、当然ですがOミリ秒ごとに処理
を繰り返すといった非現実的なことは不可能です。このような場合処理できる極めて
微小な時間単位で処理が繰り返されます。
SetTimer関数の戻り値はタイマーIDと呼ばれる識別子で、
KillTimer関数のnIDEventに指定することでタイマー処理を終了できます。
サンプルでは、ブックのBeforeCloseイベントプロシージャの処理に保存確認の
ロジックを内包しているのは、BeforeCloseイペントプロシージャの処理によって
タイマー処理(イベント発行のための監視)を完了してから、Excelの機能によって
保存確認が行われた場合にキャンセルすると、イベントをハンドルできない状態で
開かれたままになるからです。
さて(3)のコードの最後で定義しているRowsInsertEventClassプロパティの内容
はまったく難しいものではありません。モジュールレベル変数
[my RowsInsertE vent Class]が「Nothing」であれば新たにインスタンスを生成
してから、その参照を返すプロパティです。
しかし1つだけ重要なことがあります。
このようにして外部にclsRowsInsertEventオブジェクトヘの参照を返す(公開する)
場合には、clsRowsInsertEventクラスのInstancingがデフォルトのPrivate]のまま
ではいけないからです。
このような場合には、あらかじめ[プロパティ]ウインドウを使ってInstancingを
[PublicNotCreatable]に設定しておきます。
ポイント
タイマー処理中に実行時エラーが発生すると、Excelが即座に落ちてしまいます。
万が一にもそのようなことがないように、絶対に実行時エラーが発生しない処理
でない限り、必ずOn Error Resume Nextステートメントを付けるようにしましょう。
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