Excel VBA質問箱 IV

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【78065】Re:イベント処理について
回答  かず  - 16/3/26(土) 11:31 -

引用なし
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   ▼かず さん:

サンプルコードの解説を補足します

 では、1.'から順に見ていきましょう。
 まず、1行目でEventステートメントを使ってイベントを宣言しています。このクラスは
Rowslnsertというイベントを発行して、そのイベントプロシージヤは、CancelというBoolean d
の引数を参照渡しで受け取りますよ、といった宣言になります。
 CheckRowsInsertメソッドは、この後解説するタイマー処理によって繰り返し実行され、行
が挿入されたタイミングでイベントを発行するメソッドです。ここで重要なのは、Static変数
「myRow」が最終行を表すRangeオブジェクトへの参照を保持していることです。初めて実行
されるときだけは変数「myRow」が「Nothing」なので、その場合には最終行を表すRange オ
ブジェクトへの参照を格納するだけの処理を行いますが、2回目以降にはいよいよチェックを行
います。
 このチェックには、On Error Resume Nextステートメントを使って、実行時エラーを無視す
るようにしてから、変数「myRow」に参照が格納されているRangeオブジェクトの何らかのプ
ロパティを取得してみるのが簡単です。ここではRowプロパティを取得していますが他のプロ
パティでもかまいません。
 このとき、行が挿入されていれば最終行は存在しなくなっているのでエラーが発生します、
ですから、「エラーの発生=行が挿入された」と判断できるわけです。エラーの発生の有無は、
Err関数を使って参照を取得できるErrObjectオブジェクトのNumberプロパティで判断でき
ます。エラーが発生していなければNumberプロパティの値が「O」となるからです。
 そして、行が挿入されたと判断したらRaiseEventステートメントを使ってRowslnsertイベン
トを発行します。引数Cancelには変数[myCancel]を指定し、イペントプロシージヤによって、
変数.[myCancel」の値が「True」に変更される(引数Cancelに「True」が設定される)と、
ApplicationオブジェクトのUndoメソッドを使って、行挿入の操作を元に戻します。

 次に、2.のコードをご覧ください。これはタイマープロシージヤと呼ばれるプロシージヤで、
この後解説するWin32API関数のSetTimer関数の引数IpTimei'Funぺこ、このプロシージヤの
アドレスを指定すると、繰り返し非同期で実行されるようになります。
 宣言部については決まり事として覚えておいてください。ここで行っている処理は、
clsRowsInsertEventオブジェクトのCheckRowsInscrtメソッドを実行するといったものですI
clsRowsInsertEventオブジェクトへの参照は、3.のコードで定義しているThisWorkbookク
ラスのRowsInsertEventClassプロパティを使って取得します。

 最後に3.・のコードの要点をまとめます。
 まず、このブックモジュールでclsRowsInsertEventオブジェ列ヽが発行するイベントをハンド
ルするために、モジュールレベルのオブジェクト変数「mvRowsInsertEventClass」を、

 WithEventsキーワードを付けて、cIsRowsInsertEvent型で宣言します。
 そして、そのclsRowsInsertEventオブジェ列ヽのRowslnsertイペントプロシージャに、
行挿入時に実行する処理を記述します。ここでは、キャンセルするかどうかの問い合わせのみ
を行っています。
 タイマー処理の開始はブックのOpenイベントプロシージャで、終了はBeforeCloseイベント
ブロシージャで行います。
 タイマー処理を開始するのはWin32API関数のSetTimerで、引数HwndとnlDEventには0を、
uElapseにはタイマー処理を実行する問隔(ミリ秒)を、lpTimerFunc にはタイマープロシージャ
のアドレスを指定します。プロシージャのアドレスはAddressOf演算子を使って取得し
ます。なお、サンプルではnElapseに「O」を指定していますが、当然ですがOミリ秒ごとに処理
を繰り返すといった非現実的なことは不可能です。このような場合処理できる極めて微小な時間
単位で処理が繰り返されます。
 SetTimer関数の戻り値はタイマーIDと呼ばれる識別子で、
KillTimer関数のnIDEventに指定することでタイマー処理を終了できます。サンプルで、ブックの
BeforeCloseイベントプロシージャの処理に保存確認のロジックを内包しているのは、Beforecloose

イペントプロシージャの処理によってタイマー処理(イベント発行のための監視)を完了してから、
Excelの機能によって保存確認が行われた場合にキャンセルすると、イベントをハンドルできない状態
で開かれたままになるからです。
さて、3.のコードの最後で定義しているRowsInsertEventClassプロパティの内容はまったく
難しいものではありません。

モジュールレベル変数[my RowsInsertE vent Class]が「Nothing」であれば新たにインスタンスを
生成してから、その参照を返すプロパティです。しかし1つだけ重要なことがあります。
このようにして外部にclsRowsInsertEventオブジェクトヘの参照を返す(公開する)場合には、

clsRowsInsertEventクラスのInstancingがデフォルトのPrivate]のままではいけないからです。
このような場合には、あらかじめ[プロパティ]ウインドウを使ってInstancingを[PublicNotCreatable]
に設定しておきます。

ポイント
 タイマー処理中に実行時エラーが発生すると、Excelが即座に落ちてしまいます。万が一にもそのよう
なことがないように、絶対に実行時エラーが発生しない処理でない限り、必ずOn Error Resume Next
ステートメントを付けるようにしましょう。

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